2003年の5月に「絶対に儲かる商売のやり方」と言う記事を当時のManger-NET通信に書きました。この記事は、一攫千金とか裏技とか誰も知らない秘密のノウハウなどではなくて、真っ当な商売のやり方を書いたものです。私のサイトに転載していますので、興味のある方は下記URLをご覧ください。
http://komish.com/survival/sur001.htm
この記事は、商品から儲かる商売を見たものですが、実は、当時は秘密にしていた別な儲かる商売のやり方があります。それが、売れる商品を見つける方法です。
結論からいきます。
「不景気でも売れる商品とは、オタクな商品である」
オタクと言っても、別にあなたにアニメとか、フィギュアとか、鉄道模型を売れと言うのではありません。
ここで言うオタクとは、商品に対して執念や情熱を持っている消費者のことです。こうした商品は、景気の影響をほとんど受けません。
例えば、アイドルオタクが、不景気だからと言ってアイドルの追っかけを止めるかと言えば止めません。と言うか止められません。失業して、明日食うことに困ってもアイドルの追っかけだけは止めないでしょう。なぜなら、それがオタクと言うものだからです。
オタクと言うと特殊な人たちのように思えますがそんなことはありません。
例えば女性。
化粧なんかしなくても生きていけるのに、不景気になっても化粧をする女性は減りません。服なんて去年ので十分暑さ寒さをしのげるのに、新しい服を買う女性は減りません。彼女たちは、美しくなる、あるいは可愛くなるための商品に、執念と情熱を持っているわけですね。
これを見て「流行に流されているだけだ」と私たちおっさんは言いがちですが、私たちおっさんだって大して変わりません。
私たちおっさんは、米国から新しいビジネスノウハウが来ると、ビジネス書を買ったり、セミナーを受講したりします。特に不景気になるとこうした商売は盛況です。私も、これを読んでいるあなたも立派なオタクだし、そうでなくても予備軍です。
このように、どんなジャンルの商品にもオタクな商品はあります。たとえ今あなたの店にはなくても、あなたの取引先は持っているはずです。そうした商品を見つけて売れば不景気だって怖くありません。
では、どうやって見つければいいのでしょうか?
3つの方法があります。本当は4つあるんですが、最後の一つは使える人が限られますので数に入れていません。
まず、お金のかからない方法から紹介します。もっとも、この方法にはリスクがありますので利用には注意してください。どんなリスクかは後で説明します。
オタクな商品を見つける方法の最初の方法は、インターネットを使うことです。
ただし、オタクな商品を探すのですから、検索エンジンは役に立ちません。検索エンジンの上位に出てくるなら、おそらくオタクな商品ではないと思います。
調べるには以下の3つを使います。
この方法のリスクは、執念や情熱を持っている人と商品を見つけることはできても、「彼らは金を持っているか?」についてはわからないことです。いくら商品に情熱があっても、金がなければ買えません。
はっきり言って、オタクな商品を見つけることはカンタンです。商売の素人なら別ですが、あなたのようなプロなら誰でも見つけることができます。でも、重要なのは「彼(彼女)は金を使うのか?」なのです。
不景気「でも」売れる商品を見つける方法の2つ目は、あなたが扱っている商品の激戦区を視察することです。
例えば、あなたが若者向けファッションを扱っているなら、原宿、渋谷を、パソコン、家電、アニメ、フィギュアなら秋葉原と言ったように、同業者が集まっていて競争の激しい地域の店を視察します。
もし、激戦区なんかないのであれば、あなたの商品は、始まっていないか、あるいは終わっているかのどちらかです。始まっていない商品を育てるのは大企業の仕事です。あなたはどうでしょうか?終わっているなら・・・あなたがすることはこれを読むことではありません。履歴書を書いて次の仕事を探すことです。今よりましな仕事は、たとえ不景気とは言え絶対にあります。
ちなみに、苦しんでいる商店街の関係者に会うたびに提案しているんですが、商店街を活性化させたいなら、同業者を大量に誘致して、激戦区を作るべきです。激戦区は、マスコミが大好きな話題なので、宣伝費をかけなくても、勝手に記事にしてくれます。
これを読んだあなたが実行できる立場だったら、ぜひこのアイデアを使ってみてください。結果だけ教えてくれれば後は何も請求しませんので。
さて、当然あなたも視察はやっているでしょう。でも、その目的は何ですか?何を視察しているのですか?ただ漫然と見て終わりではありませんか?
そんな視察は経費の無駄遣いです。どうせ視察するなら、「不景気でも売れる商品を見つける」というように、具体的な目的を設けてやるべきだと思います。
では、なぜ、激戦区で「不景気でも売れる商品」を見つけることができるのでしょうか?
激戦区は競争が激しいです。ただ、価格競争はどうやっても限界があります。大型店はライバルが2~3店舗なら安売りで倒産に追い込みますが、数十もあったら話は違います。それを叩き潰そうと思ったら自分が危なくなります。
激戦区は、外から見ると価格競争をしているように見えますが、実際には勝負は価格以外のところで決まっているのです。と言うか、そうしないと生き残っていけないのです。私がいたころのアキバもそうでした。
したがって、見るべき店は当然大型店ではありません。いや、大型店を視察しても意味がないというのではありません。「不景気でも売れる商品」を見つける場所ではないと言う意味です。もちろん、大型店を視察するには別な視点があるのですが、それはまた別な機会に。
見るべき店は激戦区の小型の店舗です。大型店と差別化できるものを必死で探しています。差別化できるのはできるだけ商品であることが望ましいです。なぜなら、商品以外だと宣伝するのにお金がかかるからです。もちろん、商品を知らせるのもお金はかかりますが、商品は売れればすぐ金になりますからね。
あなたの店にはない、彼らが扱っている商品をしっかりチェックしましょう。その中には「オタクな商品」があるかもしれません。あなたの目でしっかりと見極めてください。
もっとも、激戦区の小型店が、こうしたリスクのある品揃えにチャレンジができるのは、お客がたくさんいるからだという事実を忘れてはいけません。ですから、彼らが売っているものが、すべてあなたの店でも売れると言うわけではありませんので注意してください。
不景気「でも」売れる商品を見つける方法の3つ目は専門誌を使うことです。念のために言っておくと、ここで言う専門誌とは業者向けではなく、消費者向けの雑誌のことです。
例えば、パソコン関連だと、初心者向け、ビジネスユーザー向け、パワーユーザー向け、自作ユーザー向け、システムエンジニア向け、WEBプログラマ向けの、WEBデザイナー向け、CADデザイナー、CGデザイナー向け等々、パソコンと言う比較的狭いジャンルの中でさえ、数多くの専門誌があります。
あなたの取扱商品の中で、専門誌のある商品はいくつあるでしょうか。正直言って、もし、ひとつもないのであれば「オタクな商品」は難しいかもしれません。ただ、今までお付き合いしてきたお店には、何かしらありました。
専門誌が出版されていれば、商売になる程度の大きさの市場があると考えられます。お金を払って専門誌を買う読者がいなければ出版社も商売になりませんからね。だから、専門誌がある商品なら、そこには「オタクな商品」があるはずです。ただし、創刊したばかりの雑誌は当てになりませんので注意してください。
ところであなたは、セールスマンの専門誌の読み方を知っていますか?
セールスマンが専門誌を読むには、普通の消費者のように読んではいけません。記事を読むのは最後で、まずは次の2つを読むべきです。というか、記事は読まなくても、最低この2つだけは目を通すべきです。
この2つの情報が重要なのは、ほとんどの店が業界の全てのメーカーと取引しているわけではないからです。あなたのお店もそうではありませんか?扱っていないメーカー、ありませんか?
もちろん、そうしたメーカーがあっても悪いはずがありません。全てのメーカーと取引するなどおそらく不可能だからです。
でも、扱っていないからと言って無視していいはずがありません。取引がなければ、情報は雑誌の新商品情報か広告から手に入れるしかありません。そして、「オタクな商品」を作り出すのは、大抵今取引していないメーカーなんですね、これが。
不景気「でも」売れる商品を見つける方法の4つ目、これが最後ですが、この方法を使える人は限られています。でも、もっともカンタンで、確実な方法です。
「自分のお客に聞く」
この手のリサーチは、大企業が莫大なお金をかけてやっていますので、もちろん、同じことをやれと言うのではありません。
大企業は最大公約数を追及しますが、私たちが探しているのは「オタクな商品」で、一般の人に聞いても役に立ちません。お客の99%は、自分が何がほしいのか、本当にはわかっていません。私たちのような商売人なら、自分の商品についてあれこれ考えますが、普通はそんなことはしません。なぜなら、忙しいからです。そんなに暇ではないからです。
しかし、残り1%の例外があります。
その1%の人たちとは、パソコンならパワーユーザー(一般にはオタクとか、廃人)と言われる人です。プロのセールスマンでも、彼らより商品に詳しい人はいないでしょう。もしいたら、彼自身も立派なオタクなはずです。
彼らはメーカーや販売店以上に、商品のことを考えていて、商品にあり方や、売り方にも一家言持っています。
正直言うと、パソコンのセールスマンとしての私は、オタクの方たちに育ててもらいました。今でも感謝しているのは、「パソコンを本気で理解したければアセンブラを勉強しろ」とアドバイスをもらったことです。実際に勉強してみたら、本当におっしゃるとおりでした。
要は、オタクが欲しいものはオタクに聞けばいいんです。
そもそも、オタクな商品を売る相手が誰かと言ったらオタクなんですから、この方法はもっともカンタンで、確実な方法です。
もっともカンタンなこの方法ですが、なぜ、使える人が限られているのでしょうか?
この答えもカンタンです。
あなたは、あなたの店に来ているお客の誰がオタクだか知っていますか?
顔を知っているだけではだめですよ。連絡先を知っているのは当然として、店が聞きたい建前ではなく、オタクな本音を答えてくれる人間関係を構築していますか?
商品にもよりますが、オタクであると告白するのは勇気がいるものです。相手がよく知らないセールスマンならなおさらです。お客とあなたが、血の通った人間関係を築いていなければ、本当のことなど教えてもらえるわけがありません。
もし、人間関係ができているなら話はカンタンです。どんな商品が欲しいか彼らに聞きましょう。たくさんのヒントがもらえるはずです。
え? 人間関係の作り方ですか? それはまた別な機会に。
あなたのお店ではどうですか?お客の誰がオタクか知っていますか?
初出:2008年9月24日「店長のための売れる店作り」
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